ヴォーミフェルス

SSDF-003。フォムベイ博士が特別守備隊シュケイラーツ隊のメンバー、メルフィーツのために開発したデーケリタイプの機動兵器で、ヴェイストーとクスノロスに次ぐ三号機。ミフェルスデーケリとも言われる。。

基本的なデーケリタイプの共通の特徴として、搭乗者の脳をヴォーミフェルスの人口脳に直接ダイヴさせるため、コクピット内はかなり簡略化されていることが挙げられる。そのため専門的な知識が無くても操れるが、その分損害時の搭乗者へのダメージなど、リスクも大きい。

そしてこの機体の最大の特徴は機体の背部に設置されている翼、＜クヴァイテミス＞である。この左右にそれぞれ三枚づつ設置された翼は純粋に空での機動力を増すとともに、後方や左右からの攻撃を自動的に（あるいは搭乗者の意思で）エネルギーフィールドを展開することによってある程度防御することができることである。これは敵中に深く斬りこんで先導することを得意とするメルフィーツの戦法を奇襲から防ぐために用意されたシステムで、エネルギーが許せば左右への打撃用のビームカッターとしても使えないことは無い。

また他のデーケリが持つ武器を使用する事はできないが、替わりに強力な伸縮可能なクロー＜マルウィカ＞や人間で言う手の平に内蔵された近距離用ビーム兵器＜ガグレーム＞を持つためデーケリの特徴のひとつである共通武器を使用しなくても十分戦いぬくことができる。

最大の弱点は前方からの遠距離射撃であり、前部の特徴的な兵器、全方向可動式砲塔＜ゾクスゲール＞を使用しない限りそれに対抗することはできない。だが勿論、他のデーケリ同様ヴォーミフェルスも＜ゾクスゲール＞は大変扱いにくい兵器となっており、通常はフロント部分にセットして固定砲台として使われる。しかしフレーム自体が邪魔しない限りどの方向でも狙えるこの砲台はデーケリにとって重要な兵器の一つであり、ヴォーミフェルスに至っては＜マルウィカ＞と組み合わせることで近くの敵にオールレンジ攻撃を仕掛けることも機能上は可能である。それでも＜ゾクスゲール＞はヴォーミフォルスの唯一の遠距離用兵器であり、これと＜クヴァイテミス＞を上手く使いこなすことがこの機体を乗りこなすことに直結すると言えるだろう。

またこの機体は基本的に他のデーケリに比べて速いが脆く、そして決定打となる兵器がない。あえていうなら＜マルウィカ＞で動きを封じた後に＜ガグレーム＞の連射によって一方的に止めを刺すことができるが、多数の敵と戦うことの多いシュケイラーツ隊にとってはあまり効果的な攻撃法とは言えない。

それでも敵地の真ん中で翼を広げて拳で敵陣を乱す、という考えの基に作られた機体の格闘能力はずば抜けており、シュライケーツ隊の一番槍としてヴェイストー、クスノロス、ダムロフと共に作戦に大きく貢献している。